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2016年8月2日火曜日

春日無線のアマチュア無線用送信機の第一号は?

トリオ(後のケンウッド)のアマチュア無線用の送信機で、最初に製品化されたモデルを知っている人は、恐らく少ないと思う。9R-59と TX-88Aを使っていた世代でも、今となっては、その前身の「TX-88」と記憶しているかも知れない。

A4版8ページのデーターシート
戦後再開されたアマチュア無線の黎明期に出て来たため、出荷台数も少なく、記憶に残らなかった?春日無線の第一号のアマチュア無線用の送信機は、文字通り 「TX-1」である。

手元の資料から、アマチュア無線用受信機 9R-4より半年くらい遅れて、1954年(昭和29年)後半か翌年に発売されたようだ。

まずは、セミキットで出荷された。
当時は、自作が当たり前の時代だったから、何の抵抗もなく市場から受け入れられたらしい。
主要部品がパネルやシャーシーに取付済みで、後は手元のパーツや足りない部品は秋葉原で買い求めて完成させた訳だ。

ただし、このセミキットは、無線電信用送信機の部分だけ。
無線電話用には別に変調機を自作することになる。しかも、電源も自作する必要があった。
セミキット以外の部分も半端で無く、完成までには大変な努力を要し、敷居の高かった製品でもある。

私自身も、それがどんな物なのか?現物を見たくて居たが、たまたま、遠方に住む友人との話の中で、彼のローカルに持っている人が居ることが判明した。
オーナーは、かなり先輩の方で、往時、セミキットから周辺装置まで自作した完成品を保管していることが分かった。

以下は、メール添付で送って頂いた画像だが、プライベートの部分の映り込みもあり、画像処理アプリ Adobeの Photoshopを用い、私なりにレタッチして本体だけをクロップしてある。

セミキットの部分は、上段、大きなダイヤルが二つある部分で、その上下の部分は自身が自作して、システムとして完成させている。
推定だが、このシステム一式の幅は 450mm、高さは 900mm、重量は不詳。

因みに、このセミキットは、球無しで 16,700円(大卒の初任給に相当)と価格表にある。

上段がアンテナ整合機、その下が TX-1部分、更に下が変調機/電源、一番下が主電源

回路構成は、6BA6(VFO)/6AR5(Xtal) - 6AR5(BUFF) - 807(FINAL)
送信周波数:3.5Mc & 7Mc。 出力;10 - 20W。 発振:VFO or Xtal。
変調:P & SG同時変調

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