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2006年6月13日火曜日

CQ出版社が1955年に発行の日本アマチュア無線局局名録

CQ出版社発行「局名録」
第一号の表紙
日本のアマチュア無線局を収録した局名録(通称コールブック)の起源は、伝え聞くところによると、昭和5年、あるボランティアの制作による青写真の物が全国のアマチュア無線家に配布されたのが最初とされ、その後十年ほど毎年改訂作業が続けられたようです。

また、「無線と実験」誌の昭和14年5月号〜7月号の三回にわたって局名録が掲載され、内地は勿論、満州、朝鮮、台湾まで含んでいたのを私自身も最近ですが現物を確認しています。

戦後は昭和28年になって、オーム社により「ラジオと音響」誌の附録として出版されました。

そして、翌年の昭和29年、CQ出版社により「CQ Ham Radio」誌の一部として4月と11月に発行されました。
その後、ここにある「日本アマチュア無線局局名録」として「CQ Ham Radio」誌から分離独立しました。

私が所有する「日本アマチュア無線局局名録」は、昭和30年10月1日 CQ Ham Radio臨時増刊として発行されたもので、B5版160ページ、単体の局名録としてCQ出版社版の第一号になるようです。

JA1AAからJA1AZのページ(斜めになっているのは版下制作時のミス?複数のページにみられる)

トリオ(現ケンウッド)の9R-42、SM-1、
TX-1、T-50、T-23X などの広告






















掲載されたアマチュア無線局は、もちろん「JA」プリフックスだけですが、

JA1AA - JA1AXZ 東京都、神奈川県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、山梨県
JA2AA - JA2RZ 愛知県、三重県、静岡県、岐阜県
JA3AA - JA3UU 大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
JA4AA - JA4II 広島県、鳥取県、島根県、岡山県、山口県
JA5AA - JA5FO 愛媛県、徳島県、香川県、高知県
JA6AA - JA6NW 熊本県、福岡県、長崎県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県
JA7AA - JA7GZ 宮城県、福島県、山形県、岩手県、青森県、秋田県
JA8AA - JA8EY 北海道一円
JA9AA - JA9EV 石川県、福井県、富山県
JA0AA - JA0FU 長野県、新潟県

記載の内容は、
局名、氏名・生年月日、使用周波数・電波形式・終段、住所、職業勤務先、その他の欄には所属クラブ、受信機、空中線、趣味などが記入されていて今のものより情報量が多く読むだけでも楽しい。

広告ページにある企業は、
■レックス・トランスの巴電気■ハム用無線機の春日無線工業■JEC電解コンデンサの日本電器化学■ナショナルHiFi用真空管の松下電器産業■DELICAキットの三田無線研究所■特殊バリコンの片岡電気■Elctrohm・Electroohm solidの多摩電機工業■三和・CRYSTALの三和通信工業■ミツミ・ソケットの三美電機■(Super Teletrol)無線操縦用の三鴻通信工業■無線通信士・技術士養成の日本ラジオ技術学校■完全調整済BC-342、BC-312の千代田特殊無線■分割払いの東邦電気商会■各種電気計器製作修理専門の吉野電機■測定器ORC-27、PV-107、MC-120Aの菊水電波■オリオン・クリスタルレシーバーのセーフ電器■山水・トランスの山水電気■無線誌専門販売の増田書店、大陸洋行■USA通信機大量放出の三協テレビ無線、大阪電波商会■短波受信用スターコイル・IFTの富士製作所■大松・水晶振動子の大松工業
裏表紙、昭和30年10月1日発行とある

その後もCQ出版社が月刊誌「CQ Han Radio」の附録として毎号毎号、新規に開局した局のデータを追補版として付けていました。

しかし、発行元が日本アマチュア無線連盟(JARL)に移ってからは「JARL会員局名録」と改められ、今までは全てのアマチュア無線局が網羅されていましたが、タイトル通り会員のみの掲載になりました。

JARLからすれば会員のみの掲載でOKでしょうが、現実には会員でない方の方が多く、利用する側からすれば不便この上ないことです。
この「会員局局名録」には多くのアマチュア無線家から大ブーイングですが、一向に改められる気配もなく現在も隔年で改版が進んでいます。

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