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2006年6月7日水曜日

「オシロスコープの回路技術」をお譲り頂きました

私は「オシロスコープ」あるいは「シンクロスコープ」とタイトルされた書籍を収集しています。

オシロスコープは、現在の(株)東芝の前身だった東京電気が昭和8年(1933年)に国産初のオシログラフと銘打って製品化したと記録にあり、それ以前は米国や欧州からの輸入品に頼っていたようです。

それ故、オシロスコープに関する和書も、私の調べでは昭和十年代になって出版された様に推測しています。
自分でもオシロスコープに関わる著作を持って以来、この七十年間にわたって出版されたオシロスコープとタイトルする書籍にはどの様なものがあったのか?収集することにしました。

本のジャンルとしては、とてもマイナーですから、新刊本でも都市部のそれも大型書店でないと常備されていないこともあり購入もままなりませんでした。しかも、十年遡っても出版されたオシロスコープの本は両の手で数えられる程で、あとは中古書店を何年も巡り歩き、数少ないオシロスコープの本を探し続けました。

その一方で、どの様な本がどの出版社から出版されたかも調べデータベースを構築しました。その結果、私が収集したオシロスコープの関連書籍は全出版数の九割ほどを集めた様に思われます。あと数冊はオークションなどで出てくる可能性もありますが、それ以外は希少本の部類に入り入手はかなり困難であると今は思っています。

私のホームページでも「オシロスコープについて解説している書籍は?」とタイトルしたページでこれまでに収集した本を表組みして発表しています。

ご覧頂けば分かりますが、私が入手した最古の本は昭和12年(1937年)に発行された「陰極線オシログラフ」です。

また、入手出来ていない本については、やはりホームページで「オシロスコープの本を探しています」とご提供をお願いしています。

オシロスコープの回路技術
つい最近ですが、このページをご覧になった千葉県在住の方から譲ってもよいとメールを頂き、早速お願いし私のライブラリーに久々ですが加えることが出来ました。
お譲り頂いたのは、ラジオ技術社発行の「オシロスコープの回路技術」で、昭和48年に初版が出て翌年再版した後に絶版になったらしく出回った冊数も少なく入手出来ないでいました。

これは、月刊誌ラジオ技術に昭和45年1月号から昭和47年3月号まで連載された記事を一纏めにしたラジオ技術縮刷版です。この当時、私はアマチュア無線に入れ込んでいて、CQ出版社の月刊誌CQ ham radioの愛読者で、オーディオ中心のラジオ技術にはあまり関心が無かった時代で、この連載にはまったく気付いていませんでした。

内容的には、今は消滅してしまった松下通信工業のオシロスコープに関する資料をベースに記述されていて、内容的にはなかなかのものの様に読みとれます。いま思うに、ラジオ技術の読者には少々レベルが高すぎたようにも私としては感じられました。


内容的には以下、(A5版111ページ)

1. オシロスコープの基本事項
2. トリガ同期方式
3. シンクロスコープの操作と回路
4. ホールドオフ回路の動作
5.  掃引期間の原理と実際
6. ミラー掃引の原理と実用回路
7. トリガ掃引とトリガリング・モード
8. MODEの操作とトンネル・ダイオードの役目
9. ゲート信号の利用
10. パルス増幅とシンクロスコープ
11. 垂直軸における仕様と規格
12. 垂直回路とその動作
13. 垂直プリアンプの種類と回路
14. 陰極線ブラウン管とその動作
15. 蛍光体の種類と使いかた
16. オシロスコープのハードとソフト(1)
17. オシロスコープのハードとソフト(2)
18. 遅延掃引回路の動作
19. 遅延掃引の実用回路
20. テレビジョン波形の分析
スペクトラム・アナライザ入門
21. TV用オシロスコープとライン・セレクタの動作
22. ライン・セレクタにおける「ファンタストロン」の動作
23. 単掃引とその動作
24. 単掃引の回路とその動作
25. オシロスコープの新しい応用(1)
25. オシロスコープの新しい応用(2)
27. 最後のまとめ
附録 130mmシンクロスコープの全回路図、オシロスコープ用語集



「オシロスコープの回路技術」と一緒に横河ヒューレットパッカード社直筆の「スペクトラム・アナライザ入門」もお譲り頂きました。通称スペアナですが、類書が少なく入門書としては貴重な存在でラッキーとしか言いようがありません。別の機会にコンテンツにしてみたいと思います。

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